シザーク小悪魔姿に触発・・。
小悪魔・・・シザーク大天使・・・ナスタ人間・・・カルナラ神様・・・フィズ大悪魔・・・お掃除にーさんこんな設定が頭の中に・・・


『恋する悪魔』


「竜棲星-ドラゴンズプラネット」二次創作
制作--可那他様
挿絵--土井眠人様






人間を悪の道へ貶めて命を奪うのが仕事の悪魔。
ところが小悪魔シザークは、毎日イタズラばかりで、今まで一人も命を奪えていません。

そんなある日。
大悪魔のお掃除おにーさんが、誰でもいいからとにかく、一人、人間の命を奪って来い!さもないと小悪魔から降格して使い魔の黒猫にしてしまうぞ!と、脅しをかけます。
猫にされるのは嫌だけど、一体誰の命を奪えば良いのか?
根っからの悪魔になりきれないシザークは、悩んだ末、雲の上から石をポイッとほおリ投げます。

その石に当たったのが、平凡なサラリーマン、カルナラ。
いたって平凡、これといって悪いことも良いこともしていない、だけど人情家なカルナラ。
シザークはカルナラを不幸に落としいれ、悪魔に命を売る契約をとらねばなりません。
カルナラに近付くため、行き倒れを装って、カルナラの家の前で「お腹が減って動けない・・・」と、人情家カルナラの同情を引き、まんまと居候に。

ちょうどその頃、その大悪魔の企みを聞きつけた神様、フィズが、善良な一般市民カルナラを可哀相に思い、大天使ナスタをカルナラ救済のために地上に派遣。

ところが。この大天使ナスタ、実は天上界のあまりに清く正しく美しく!な生活にあきあきし、人間界に降りたら思う存分その大天使に相応しい美貌を持って、人間達をたぶらかしてやろう・・と、密かな野望を持っていました。

その野望を達成すべく、さっそくナスタは超一流のホストに転身。
男女構わずその美貌で持って人間達を虜にしては、飽きるとポイッと捨てる毎日。
そんなある日、道で偶然ナンパしたカルナラが、ナスタのナンパになびかずに、振ってしまいます!

実はカルナラ、毎日のようにはた迷惑なイタズラを繰り返すシザークの世話を焼くのが日課になり・・・いつしかその世話焼きに生きがいを見出していたのでした。

当の小悪魔、シザークの方もそのカルナラのあまりに純粋で献身的な世話焼きに・・・いつしかそこに得もいえぬ快感を見出し、今ではそれ無しでは生きて行けない有様に。

要は、ミイラ取りがミイラになった・・・というわけで。
二人は毎日ぎゃーぎゃーと怒って怒られ・・・ケンカしながら大変幸せな日々を送っていたのでありました。

それを知った代悪魔お掃除おにーさん、大激怒!
早速シザークをとっちめるため、地上に降臨します。

ところが。

そこでばったりと大天使ナスタと鉢合わせ。

大悪魔、大天使に一目ぼれ。お掃除おにーさんはすっかり自分本来の仕事を忘れ、ホスト・ナスタのもとに通い詰め。

何しろ大悪魔ですから、貢物には苦労しません。
ナスタがほしいと言うものなら、何でも与えてしまいます。
たった一つ、自分になびかなかったカルナラがほしいと言ったナスタの願い以外は。

嫉妬に狂ったお掃除おにーさん、カルナラの魂を奪おうとしますが、シザークに阻まれおまけそこにナスタまで現われて、三つ巴の争いに。


▲イラスト(土井眠人様)


結局。

シザークを庇ってカルナラ死亡。

激怒したシザーク、二人に反撃し、ナスタと相打ちで二人とも死亡。

残されたお掃除おにーさんも、ナスタを追って、自殺。

どうにも救いのないこの現場に、神様・フィズ降臨。
「あららー仕方ないなーもう。はい、転生、転生〜〜♪」
と、神様の特権振りかざし。

人間をたぶらかしたナスタは大天使の座を剥奪。
代わって、シザークが天上行きを許されて大天使に。
カルナラも天上へと迎え入れられて、天使に。

そして。

大悪魔でありながら自殺したお掃除おにーさんも、二度と悪魔の座には戻れず。
ナスタと供に地上で人間としてやり直しさせられる事に。
天上ではシザークとカルナラがラブラブ。
地上では記憶を消され、真人間に生まれかわったお掃除おにーさんとナスタが、再び運命の導きのもと出会って、ラブラブ。

「いや〜最初からこれを狙ってたんだよね〜〜〜〜」とは、神様・フィズがお茶を飲みながら言った独り言。

神様が、一番、おいしいトコ取り。そんなお話。


=終=



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