『楔』BL18禁

「竜棲星-ドラゴンズプラネット」二次創作小説
制作--文月様



「……」

虚ろな、でも切り裂くような瞳。

「…なぜ……です?」
「…わかってるだろ」

主はそう言って、私を見つめる。
重たげなベルトのバックルを外し、ジッパーをゆっくりと、下ろす。

「……」
無言で、笑っている。私の気持ちも知らないで。

「ひざまずいて……舐めてよ」
腰を強調させる。
逆らえず、私はその部分へ、手と舌を、伸ばす。

「…うまくなったな」
そんな言葉になんて、答えている余裕はない。
主の手が私の髪を押さえ、口を離す事を許そうとしないから。

「…んっ!シザーク……」
「…なぁ、カルナラ」
「……?」
「ナスタにも、こんなコトしてんの?」
「…えっ?!」

思わず頭を上げ、顔を見上げる。
その顔はなぜか苦しそうで、怒っているようにも見えた。

「…い、いえ」

これが真実。主もわかっているはず。
私を初めて本気にさせたのは、誰でもない、貴方だ。
ここまで、堕落させたのも。

「……だったら証拠、見せて」
「証拠?」
「そう、証拠。オレだけ愛してるって、証拠」

嬉しそうに笑うその口。
意欲的で、支配的なその瞳。
全て欲しいままにしてきたのか、こうやって。

「……ど、どうすれば」
「知ってるだろ」

私の言葉など聞こうとせず、主は私の服を脱がし始める。
そして、指をあてがい、いつものように、私を狂わせる。

「……!」
「ナスタは知らないよな。お前のこんな顔…」
「……う…っ!」
「きついか?カルナラ。でも……」
主の指が、私の中に侵食してくる。
「それ以上に気持ち良いだろ……?」

耳元でささやかれた言葉に、身体が正直に反応した。

「オレが……欲しいよな?」

まだ機能する耳が熱い。
身体はより高次な刺激を求めて、止まない。

「……はい」

頷くだけが精一杯だった。
のに、主は最後まで私に意地悪を言う。

「カルナラから入れてよ。オレの上にまたがって」
「…えっ」
「ほら」

指を抜き、主が笑いながらベッドへと寝転がる。

「……」
いつまでも逃げられない。
その全てから。


「…ああぁぁ…ッ!!」

全身を貫かれながら、ただ、主の上で許しを請うように啼く。

「もう…だめ…です…」
「まだだ。まだオレは満足してない」

下から聞こえる無慈悲な声。
塞がれた部分から来る快楽に、私自身のものは耐えるのが精一杯で。
少しでも動くと…。

「もっと動いて。……カルナラ」
「…!」

腰の部分を撫でられ、新たな刺激が全身を駆ける。

「…でも…」
「もっと気持ち良くしてやるよ。
 ……誰も味わえないような、高みに連れてってやる」
「……」

私は眼を閉じて、ただ、行為に耽った。
感覚がなくなりそうだ。ただ、下腹部が熱い。
時々襲う、突き上げられる衝撃。
離れる事を許さないと言うように、握られた両腕。


大丈夫……です。
私はそんな事をされなくても、貴方から離れたりしない。

離れられないのだから。


貴方だって私をこんなに堕落させたまま、

何処かへ消えたりしないでしょう……?



   ―終―


まだ未来外伝連載が始まってない頃に頂いたものです。
Dragon's Planet Mania 文月様


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