トレモロ57 灼熱の棒
「手が届くのに触れないなんて、もどかしいですね」
カルナラの言葉に、シザークは頭を上げた。
「えー? 何? お前って余裕なの?」
自分だったらもう息が上がって、何も考えられない状況だろうに、カルナラはまだ理性を保っている。
「いえ、余裕ではないですよ。ただ、あなたを感じさせてあげられないのは寂しいと」
「オレが感じてるのって好き?」
「ええ、とても。私があなたを狂わせているかと思うと、とても興奮します」
「オレもお前が感じてるところ好きだよ」
「こういうことってお互いが感じているところを見て、また気持ちが盛り上がるんですよね。……だから私もあなたを触りたい」
カルナラとのキスでシザークは「うん」と言いそうになったところで、ハッと我に返った。
思わずカルナラの二の腕に全体重をかけ、ベッドに縫いつける。そうしてから凄い勢いで頭を横に振った。
「ダメダメダメダメダメ! 雰囲気で流そうったってそうは問屋が卸さないからな!」
「ハァ……駄目ですか?」
本当に残念そうな顔に、一瞬シザークも言葉が詰まる。
なんで時々こう可愛いんだろうか。
シザークはまた流されそうになるのを必死で堪えた。
「ダーメ! 約束守れないんじゃ、お前のことベッドに縛り付けるぞ?」
軽口を叩いてはいるが、シザークの体の変化は著しい。
早く進めないと、自分がどうにかなってしまっては、元も子もない。
シザークは、攻めていたカルナラの胸から頭を下にずらし、ファスナーを迷わず下げて下着ごとズボンを剥ぎ取った。
カルナラの手がこちらに動いて来ないのを確認してから、シザークは露わになったその一部に口をつける。
途端、カルナラがふっと息を詰めた。
カルナラのその声でさえ、自分の感覚に影響してしまわぬうちにと、シザークは舐めるよりも前に性急にそこを口に含んだ。
シザークの舌は、カルナラが無意識に反応する部分を知っており、その部分を執拗に舐められると、噛み締めた唇から声が漏れ、カルナラ自身がピクピクと跳ねる。
先のほうから根元のほうまでねっとりと舐めてやると、カルナラがシザークの髪の毛を掴んで、もうそろそろと目で訴える。
(攻めるより、攻められるほうがやっぱり弱いのか?)
このまま出してしまえば遅漏ではないよな、とシザークは再び股間に顔を埋める。
「シ、ザーク……」
「ゴメン、もう少し」
短く言うと、カルナラが嘆息し、頭をヘッドレストのほうへ勢い良く倒した。
気にすることなく、カルナラを愛撫し続ける。
キュッとしまった双球を手で揉み、舌で転がすと小さな喘ぎが聞こえる。
カルナラはシザークの行為に夢中になっていた。
いつもはシザークが早々に根を上げ、身体をつなげているが、今日は頑張って奉仕をしてくれている。
疲れた身体に優しく心地よく、そして甘美だ。
ただ、一つ気になるのがシザークの舌の動きだった。
シザークはカルナラを手で擦りながら、唇をどんどんと下げ、あまり触れて欲しくない方へ近付いているのだ。
というより、自身より下の部分など誰にも触れられたことはなく、時々肌が粟立つこの感覚がとても怖い。
「ちょ……そっちは……」
「黙ってて」
シザークの舌がカルナラの後ろに触れた。
「ふ……」
突然のことで身体が跳ね、変な声が出てしまう。
「シザーク!」
「オレが何しても怒らないんだろ?」
「それとこれとは……」
「酷くしないから。頼む……」
頼むと言われても。
カルナラは困惑していた。
今まで受け身になることを考えたことはないからだ。
シザークには悪いと思いながらも、男の彼を組み敷き、蹂躙してきた。
もう十年近くもだ。
それをいきなり入れさせろと言われても、「はいどうぞ」とは言えない。
戸惑っている間に、シザークは指で後ろを攻めてきた。
唾液と先走りを絡めてそっと触れてくる。
思わずソコに力が入り、固く収縮してしまう。
「あんまり力入れるなよ。オレので分かってるだろ?」
「わっ、わかりませんよっ」
軽く笑うシザークに対して、つい強く言ってしまう。
「分からないなら覚えとけよ。今後のオレの為にも、お前の為にも、な」
シザークはニヤリと不敵に笑んだ。
そ、それはこれからも攻めると言うことだろうか。
背筋がゾッとし、尻がむず痒くなる。
「最初は気持ち悪いかもしれないけど、すぐに慣れるよ。」
シザークはそう言って、ゆっくりと指を差し入れてきた。
灼熱の棒を入れられたように熱い。
指でこうなのだから、アレを入れられたらどうなってしまうのだろうか。
「結構キツいな。カルナラ、痛くないか?」
「はっ、え?」
違和感で痛いとか気持ちいいとか、全く分からず、返答しないでいると、シザークが指でグリグリと抉 るような動きを始める。
「うっ、あ……ちょっ……」
「往生際が悪いぞ、カルナラ」
「くっ……ふぅっ」
くぐもった声とハァハァと言う息遣い。自分のものだけに生々しい。
前を刺激され、後ろの指を増やされ、カルナラはシザークに翻弄されていた。
カルナラの言葉に、シザークは頭を上げた。
「えー? 何? お前って余裕なの?」
自分だったらもう息が上がって、何も考えられない状況だろうに、カルナラはまだ理性を保っている。
「いえ、余裕ではないですよ。ただ、あなたを感じさせてあげられないのは寂しいと」
「オレが感じてるのって好き?」
「ええ、とても。私があなたを狂わせているかと思うと、とても興奮します」
「オレもお前が感じてるところ好きだよ」
「こういうことってお互いが感じているところを見て、また気持ちが盛り上がるんですよね。……だから私もあなたを触りたい」
カルナラとのキスでシザークは「うん」と言いそうになったところで、ハッと我に返った。
思わずカルナラの二の腕に全体重をかけ、ベッドに縫いつける。そうしてから凄い勢いで頭を横に振った。
「ダメダメダメダメダメ! 雰囲気で流そうったってそうは問屋が卸さないからな!」
「ハァ……駄目ですか?」
本当に残念そうな顔に、一瞬シザークも言葉が詰まる。
なんで時々こう可愛いんだろうか。
シザークはまた流されそうになるのを必死で堪えた。
「ダーメ! 約束守れないんじゃ、お前のことベッドに縛り付けるぞ?」
軽口を叩いてはいるが、シザークの体の変化は著しい。
早く進めないと、自分がどうにかなってしまっては、元も子もない。
シザークは、攻めていたカルナラの胸から頭を下にずらし、ファスナーを迷わず下げて下着ごとズボンを剥ぎ取った。
カルナラの手がこちらに動いて来ないのを確認してから、シザークは露わになったその一部に口をつける。
途端、カルナラがふっと息を詰めた。
カルナラのその声でさえ、自分の感覚に影響してしまわぬうちにと、シザークは舐めるよりも前に性急にそこを口に含んだ。
シザークの舌は、カルナラが無意識に反応する部分を知っており、その部分を執拗に舐められると、噛み締めた唇から声が漏れ、カルナラ自身がピクピクと跳ねる。
先のほうから根元のほうまでねっとりと舐めてやると、カルナラがシザークの髪の毛を掴んで、もうそろそろと目で訴える。
(攻めるより、攻められるほうがやっぱり弱いのか?)
このまま出してしまえば遅漏ではないよな、とシザークは再び股間に顔を埋める。
「シ、ザーク……」
「ゴメン、もう少し」
短く言うと、カルナラが嘆息し、頭をヘッドレストのほうへ勢い良く倒した。
気にすることなく、カルナラを愛撫し続ける。
キュッとしまった双球を手で揉み、舌で転がすと小さな喘ぎが聞こえる。
カルナラはシザークの行為に夢中になっていた。
いつもはシザークが早々に根を上げ、身体をつなげているが、今日は頑張って奉仕をしてくれている。
疲れた身体に優しく心地よく、そして甘美だ。
ただ、一つ気になるのがシザークの舌の動きだった。
シザークはカルナラを手で擦りながら、唇をどんどんと下げ、あまり触れて欲しくない方へ近付いているのだ。
というより、自身より下の部分など誰にも触れられたことはなく、時々肌が粟立つこの感覚がとても怖い。
「ちょ……そっちは……」
「黙ってて」
シザークの舌がカルナラの後ろに触れた。
「ふ……」
突然のことで身体が跳ね、変な声が出てしまう。
「シザーク!」
「オレが何しても怒らないんだろ?」
「それとこれとは……」
「酷くしないから。頼む……」
頼むと言われても。
カルナラは困惑していた。
今まで受け身になることを考えたことはないからだ。
シザークには悪いと思いながらも、男の彼を組み敷き、蹂躙してきた。
もう十年近くもだ。
それをいきなり入れさせろと言われても、「はいどうぞ」とは言えない。
戸惑っている間に、シザークは指で後ろを攻めてきた。
唾液と先走りを絡めてそっと触れてくる。
思わずソコに力が入り、固く収縮してしまう。
「あんまり力入れるなよ。オレので分かってるだろ?」
「わっ、わかりませんよっ」
軽く笑うシザークに対して、つい強く言ってしまう。
「分からないなら覚えとけよ。今後のオレの為にも、お前の為にも、な」
シザークはニヤリと不敵に笑んだ。
そ、それはこれからも攻めると言うことだろうか。
背筋がゾッとし、尻がむず痒くなる。
「最初は気持ち悪いかもしれないけど、すぐに慣れるよ。」
シザークはそう言って、ゆっくりと指を差し入れてきた。
灼熱の棒を入れられたように熱い。
指でこうなのだから、アレを入れられたらどうなってしまうのだろうか。
「結構キツいな。カルナラ、痛くないか?」
「はっ、え?」
違和感で痛いとか気持ちいいとか、全く分からず、返答しないでいると、シザークが指でグリグリと
「うっ、あ……ちょっ……」
「往生際が悪いぞ、カルナラ」
「くっ……ふぅっ」
くぐもった声とハァハァと言う息遣い。自分のものだけに生々しい。
前を刺激され、後ろの指を増やされ、カルナラはシザークに翻弄されていた。